2016-01-31

「西方見聞録」デンマークに学ぶ社会福祉研修③

「西方見聞録」デンマーク編  2015年9月26日~10月4日



「自分らしさ その人らしさ」という言葉の呪縛

人は誰でもこの言葉だけは、この表現だけは嫌いだというこだわりがありませんか?

デンマークの研修中「その人らしさ」という言葉をよく耳にしたように思います。

私は小学生の頃から人に「あなたらしくない」と言われると無性に腹が立ちました。

「らしさ」という表現は相手自身を限定してしまい、さも相手のすべてを知っていて、そのイメージからはみでると「あなたらしくない」と言っている様に子供ながら感じていたからかもしれません。

私の何を知って相手はその言葉を使うのだろう?

私は今日の今日までその言葉を他者に対しても自分自身に対しても使うことを避けてきた様に思います。

切り捨ての言葉として冷たさを感じていました。

しかし、この国デンマークで乳幼児から高齢者、障害を持った人々、精神障害者…
様々な多様な人達の生活を拝見して、その人が不足している何か、不便に感じている何か、その部分を補う何か。


 「らしさ」とはその人らしくいられる補足の言葉として温かみ感じることができ、62年の言葉の呪縛から解放されました。





まとめ

海外旅行に出かけることは自分の世界観が広がる。

観光で出かけてもそう感じるのであるから、その国の人々の誕生から墓場までを垣間見ることができた今回のデンマークの研修は、帰国してから私の考えを根底からくつがえした。

帰国してから毎日の様に報道される、近親者の殺人事件。

90代の老人が70代の息子に殺害された!90数年このご老人は息子に殺される為に生きてきたんではないはずだし、息子も70数年生きてきて父親を殺すために生きてきたはずはない。

終の棲家が刑務所の中。
そんな事件が後を絶たない日本の現状。
日本の殺人事件の三分の一は近親者によるものと聞く。

この加害者は実はこの国の被害者でもあるとも言える。
日本の役人や政治家達は公のお金より個人のお金を大切に思い、
デンマーク人は個人のお金より公のお金を、「国全体のより良い生活の為に本気で大切に使う」

この違いは増税を考える形だけの日本人の今後の大き過ぎる課題だ! 


最後に、中能さん、夏代さん、参加者の皆様、本当に稔りある研修をありがとうございました。


田中良子